第1章:シナリオについて

以前『シナリオ作成支援システム』として発表したものをまとめておきます。

シナリオについて

TRPGをプレイしようとする時に、必ず必要とされているものの一つに『シナリオ』があります。『シナリオ』は基本的にTRPGのセッションをどう進めるかについての計画書です。
TRPGのセッションでは、基本的にはゲームマスターが用意したシナリオに従って描写を行い、プレイヤーが操るキャラクター(PC)が意志の決定を行い、その決定に基づいて行動し、その結果としてもたらされた状況を、さらにマスターが描写し・・・という円環状の構造から成り立っています。
そのセッションがどのような方向を持つかがシナリオであり、ゲームの段取りと言い替えても良いでしょう。最初にPCが何を行うべきであるのか。どのような行動が期待され推奨されているのか等がシナリオには記載されています。
また、シナリオにはゲームに必要となるデータ類も記されています。

事件とシナリオ

シナリオの中心にあるもの、それは何でしょう。それは『事件』であると言う事ができます。シナリオとは、『事件』を中心としたストーリーの展開の事を指します。これだけでは良く解らないと思います。
シナリオとして扱う事が出来る現象は日常生活を始めとしてあらゆる事に及びますが、実際にシナリオとして扱って面白いかという点を考えると、内容に制限が出て来ます。その制限は、基本的に『非日常を扱う』という制限です。
非日常とはどのようなものでしょうか?普段よりもより多くの勇気を、知恵を、努力を、運を必要とする、そんな場面を非日常と言うのではないでしょうか?
この非日常は、多くの場合、日常とはちょっとずれたシチュエーション、つまり簡単に言えば『事件』の中に存在します。このような『事件』の中での意志の決定、行動の決定をくり返し、より良い状態に『事件』そのものを持っていく事、日常へと帰っていく事がシナリオで扱われる内容になります。
では、具体的にシナリオで扱われる『事件』とはどのようなものなのでしょうか?
現実でもそうだと思いますが、特にTRPGにおいて『事件』は、『利害関係を含むあらゆる事象』と狭義に定義されると思います。
では、この『事件』とPCがどのように関り、シナリオがどのように進行していくかを見て行きましょう。

PCと事件

シナリオには『事件』という概念が存在する事は理解できたでしょうか。
日常を過ごしていたPCが『事件』に参加し、その結果『事件』が変質し、PCは再び日常に帰って行く。その過程がセッションであり、その大まかな計画書がシナリオであると考えられます。
その視点からいえば、シナリオとはPCが『事件』に関り、そして離脱する課程と捉えても良いでしょう。そしてPCは『事件』そのものとは基本的に独立している存在であると捉えます。勿論、PCが『事件』に直面する場合もありますが、それは応用的な場合であるものとします。
あくまでもPCはシナリオの中心ではなく、シナリオに一時的に参入し、またシナリオから立ち去るという異邦人的な役割を与えられていると考えて良いと思います。正確にはシナリオそのものではなく、シナリオで扱われる内容に関して、PCは基本的に部外者なのです(勿論、そうでない場合もありますが)。
『事件』そのものをもう少し詳しく見てみましょう。『事件』、つまり『利害関係を含む事象』では、その利害を受けるキャラクターが必要であることが明らかです。この利害を受けるのは何者でしょうか? PCでしょうか? いや、PCはあくまでも『事件』に後から参入する部外者に過ぎません。ではPCがそのような立場であるとするならば、『事件』を構成し、『事件』と直面している者は何者なのかでしょうか? それが『事件』の『当事者』です。『事件』の中心で、『事件』に対して積極的に関らなくてはならない人物が『事件』の『当事者』であるキャラクターです。
彼等はまさに当事者であり、自分が立っている状況から逃げ去る事は出来ません。彼等は解決されねばならない『事件』を抱えており、何らかの解決策を探しているのです。しかも彼等は自力ではその問題を解決するだけの能力を持たないのです。何とPCが活躍するのに相応しい状況なのでしょうか!(当然、PCが参入しても何の解決にならない場合もあるのですが)
PCの行動は、基本的にこの『事件』の『当事者』の示す目的に依存します。つまり言い換えれば『事件』の『当事者』の持つ目的が、シナリオ中で果たさねばならない大きな目的になります。

ここまでで『シナリオは『事件』から成立している』、『『事件』には『当事者』が存在する』、『PCは『事件』と関係し、何らかの行動を行う』という前提事項が理解されたと思います。
では具体的にシナリオをどのように設定するのでしょうか?

ストーリーライン

『事件』の『当事者』が『事件』に対処し切れない状況、そしてPCがその『事件』に参入するという前提があって、初めてTRPGのシナリオがPCのために存在する事が明らかになりました。
シナリオはまた『PCのためのストーリー』を設定する事でもあります。逆説的になりますが、シナリオはPCのために用意されるものでもあるのです。『事件』という舞台も、『当事者』という狂言回しも、全てはPCが主役として立ち回るための道具立てなのです。(当然ながら、それらの道具は尊重されなければなりません。舞台装置を無視して演劇が成立しないのと同様です)
また、この設定を行うということは、そのセッションでプレイヤーキャラクターがどのような役割を果たさなければならないかということを、マスター自身が把握するための『仕掛け』でもあります。
このサプリメントにおいて、『PCのためのストーリー』とは、『PCがセッション中にどのような行動を行う事を期待されているか?』という意味から語られます。その意味において、TRPGをはじめとするエンターティメント作品のストーリーは、帰納的にわずか6種類のパターンの組み合わせから成立しているという仮説が成立しています。このサプリメントではその仮説に従ってシナリオ作成を解説します。
6種類のパターンに対して便宜的に命名を行うならば、『対抗』『探索』『移動』『耐久』『防護』『奪取』となります。あらゆるTRPGにおけるシナリオのストーリーは、これらのパターンの組み合わせだと言えるでしょう。

  • 『対抗』は、PCがある対象と競い合う行為を指します。競い合う対象、内容については問いません。また、競い合うための理由も問いません。
  • 『探索』は、PCがある対象の存在を探し求めるという行為です。探し求める対象は問いません。また、その状況も問いません。
  • 『移動』、その名の通りPCが、ある地点からある地点へと移動する行為を指します。移動する理由、状況は問いません。
  • 『耐久』は、PCがある状況に耐えるという行為です。耐える状況は問いません。その理由も問いません。
  • 『防護』はPCがある対象を守るという行為を示します。対象は問いません。また理由、状況も問いません。
  • 『奪取』はPCがある対象を手に入れるという行為です。対象は問いません。奪取のための理由、その他の全ての状況は問いません。

これらの行動パターンの基本は、シナリオの背景となるストーリーの背骨になる重要なものです。このストーリーの背骨を『ストーリーライン』と呼ぶ事にします。
ここで挙げたそれぞれのストーリーラインはお互いに矛盾無く成立します。実際に作成されるシナリオは、一つのストーリーラインのみを用いたものから、全てのストーリーラインを組み込んだシナリオまで、そのバリエーションは様々です。ストーリーラインは勿論、組み合わせ方によってシナリオに関る要素が複雑化する傾向にあります。これはPCが取り組まねばならない課題が多くなるためです。
さて、ストーリーラインを決定する事が出来たら、次に、そのストーリーラインが選択された理由を決定せねばなりません。これは実はシナリオの進行そのものには関ってこない場合もありますが、ストーリー上の因果関係を記すという点からも重要だと思われます。
その観点からいえば、先述の『事件』の『当事者』は、PCの行動を(意図的にしろ、無意図的にしろ)決定する役目を持っています。PCは『当事者』の目的に従った(勿論その選択の理由は強制でも良いですし、依頼でも、はたまた偶然の結果でも構いません。)結果として『ストーリーライン』によって選択された行動を行うのです。
しかし、強制でも何でも無いといえども、TRPGというゲームの構造上、PCの様な立場のキャラクターが期待されているという面もあります。PCは慎重で臆病な一般人ではなく、劇的なキャラクターである事を望まれているのです。そして彼等は『事件』に関るように運命付けられているのです。
これらの論議についての具体的な方法などについての解説は次章以降で解説される事になります。
では『ストーリーライン』の具体的な説明に入りましょう。

ストーリーラインの解説と例

以下には6種類のストーリーラインの一つ一つについて解説が挙げられています。ここで挙げられている解説は、いくつかのストーリーラインが結合した複合的なストーリーラインについては扱っていません。複合的なストーリーラインについては、それぞれのストーリーラインの特徴を併せ持つものとします。
特に例示の部分で複合的なストーリーラインが挙げられている場合があります。その場合も具体的な解説は行っていません。それらの例についてはそれぞれのストーリーラインの特徴が同時に含まれているものとします。複数の項目に併記されなければならない様な例もありますが、編者の独断で一方のストーリーライン項目に分類されています。その場合は適宜特徴を組み合わせて対応してください。

『対抗』

『対抗』のストーリーラインは、ある対象と優劣を競い合うという行為がメインとなるものです。競い合う対象は問いません。例を出すならば以下のようなものがあるでしょう。

競技大会/強制排除/直接対決/復讐/反乱/賭/争奪戦(奪取)

様々な状況が考えられますが、そのメインとなる部分は『勝負の行方』です。勝敗を決するという状況が必須なものとなります。

また、勝負を行う場合に必要な存在として、対抗の相手を決定せねばなりません。対抗する手段について設定する必要もあるでしょう。

『探索』

『探索』のストーリーラインは、ある対象についての情報を得るという行為がメインとなるものです。対象の内容は問いません。このタイプのストーリーラインは後述する『移動』と複合したものが多く確認されます。例を出すならば以下のようなものがあるでしょう。

謎解き/正確な知識の獲得 /身辺捜査/遺失物捜査/地図作成(移動)/探検(移動)/

様々な状況が考えられますが、そのメインとなる部分は『正確な情報の把握』です。様々な角度からの情報を収集し、事実の把握に勤める必要があるでしょう。

また、情報収集を行う場合に必要な存在として、情報提供の相手を決定せねばなりません。正しい情報を入手するために困難に直面する場合もあります。

『移動』

『移動』のストーリーラインは、PCが今いる場所から別の場所へと移動するという行為がメインとなるものです。このタイプのストーリーラインは前述の 『探索』、後述する『防護』と複合したものが多く確認されます。例を出すならば以下のようなものがあるでしょう。

旅行/伝達/交易(防護)/追跡(探索・対抗)/ 逃亡(防護)/輸送(防護)

様々な状況が考えられますが、そのメインとなる部分は『移動』そのものです。移動中に遭遇する状況がメインです。

また、移動する必然性や、移動のための手段、移動中に遭遇する困難、移動中に通過する場所などの設定が必要になります。

『耐久』

『耐久』のストーリーラインは、PCがある(PCに対して不利に働く)状況に耐え抜く状況を扱います。例を出すならば以下のようなものがあるでしょう。

遭難/胆だめし/現状維持/単純労働/持久戦(対抗)/世話(防護)/脱出(対抗・防護)

様々なパターンが考えられますが、そのメインとなる部分は状況に『耐久』することそのものです。何に耐えるか、どう耐えるかがシナリオのメインとなります。

また、PCが耐久をする理由や、直面する困難、状況からの脱出方法などの設定が必要になります。

『防護』

『防護』のストーリーラインは、PCがある対象を守るという状況を扱います。例を出すならば以下のようなものがあるでしょう。

ボディーガード/用心棒/警備/保護/護衛(移動)/

様々なパターンが考えられますが、そのメインとなる部分は何かからある対象を『護る』ことです。何をどう護るかがシナリオのメインとなります。
また、PCが対象を防護する理由や、防護中に直面する困難、防護するための有利な状況などの設定が必要になります。

『奪取』

『奪取』のストーリーラインは、PCがある対象をある対象から奪取するという状況を扱います。例を出すならば以下のようなものがあるでしょう。

盗む/発掘/誘拐/奪還(防護)/救出(防護)/

様々なパターンが考えられますが、そのメインとなる部分は何かからある対象を『奪う』ことです。何をどう奪うかがシナリオのメインとなります。
また、PCが奪取を行う理由や、直面する妨害などの設定が必要になります。


以上の様に提示されたストーリーラインは、あくまでもPCがシナリオ中で求められる行動の基本となるパターンであり、シナリオの大雑把な方向性です。逆にいえば、これだけを決定したとしても、実際のプレイ場面では余り役に立ちません(全然役に立たないという訳では有りません。ただ扱っている話題のレベルがマクロ過ぎるために有効ではないという意味です)。
また、このサプリメントで扱う範囲で言えば、1回のシナリオにおいて用いられるストーリーラインは不変であると考えます。本来ならば、シナリオにおけるストーリーはPCの行動いかんによって変更させる事が多いのですが、ここではストーリーラインは変更せれないという前提で話を進めます。
以上の解説で『PCがシナリオ中で行う行動の指針を立てる』という手順が理解できたと思います。
現在の時点では主人公であるPCが行う事以外、何も決まっていません。しかし、これがシナリオを作成する際に最も重要な手掛かりとなります。最後までこの手掛かりを頼りにシナリオは組まれていきます。次章において、具体的にシナリオを設定していく場合も、この『ストーリーライン』は常に念頭に置かれる要素です。
ここまでの手順で、シナリオとはどのようなものであるかがおぼろげに見えて来ました。つまりシナリオとは『PCがある種の絡み方をする事で『事件』が変質する』という、一つの真実が明らかになった訳です。
しかし、もうひとつの視点からシナリオを眺める必要があります。それはPCの行動と共に重要な問題です。つまりシナリオをどうやって進行させるかという問題です。この視点を得る事で、シナリオ全体の性質を俯瞰する作業が完了します。

シナリオの進行について

一回から数回のセッションでプレイが完了する、いわゆる『単発』のシナリオの場合、シナリオには『シナリオ進行の原型』とでもいえるパターンが存在します。この型をきちんと理解し、利用することが出来るようになれば、シナリオを進行させる労力をかなりの部分削ることが出来るようになります。
このシナリオの基本となる進行パターンを『基本進行式』と呼称することにしましょう。

基本進行式

基本進行式は、シナリオの進行における基本パターンの一つです。このパターンは初心者にも扱いやすく、かつ応用のし易い、万能ともいえるシナリオの基本型です。これ以降、シナリオにおける大まかな場面の分割単位をフェイズと呼ぶ事にしましょう。
基本進行式は6つの大きなフェイズから成立します。また、この6つのフェイズは第1フェイズから始まり、第6フェイズで終わるという時間的不可逆性を持ちます。シナリオの進行においてフェイズ毎の段階がはっきりとしているという点も特徴的です。
では次に基本進行式とそれぞれのフェイズについて具体的な説明を行うことにしましょう。

基本進行式の構成

基本進行式は次のような6つのフェイズで構成されます。この順序はシナリオの提示順においても同様です。

  • プロローグ → 導入 → 追及 → 解決 → 離脱 → エピローグ

プロローグからエピローグまでの全てのフェイズが揃って1つのシナリオが構築されることになります。

各フェイズの内容

基本進行式の各フェイズは大まかに次のような内容になっています。

プロローグ

シナリオに登場するあらゆるキャラクターが知っていることについての確認や、PC全員が持っている情報・知識についての確認、舞台の状況説明などが行われるフェイズです。このフェイズではPCが直接登場することはありません。
このフェイズの目的は、プレイヤーをゲームに導入することです。

導入

PCそれぞれに対する導入がこのフェイズで行われます。何か特別な事情が無い限りは、このフェイズ内でPC全員を導入するべきです。また、『事件』と深く関わる『当事者』との社会的な関係に基づく導入(社会的導入)が有効でしょう。
このフェイズの目的は、PC及び『当事者』をプレイに導入することです。

追及

追及フェイズは事件に対する正確な判断を行い、行動の決定を正しいものにするためのフェイズです。このフェイズはシナリオの中核に当たるフェイズであり、基本進行式においては最も時間を要するフェイズになります。このフェイズは大まかに2つの意味を持っています。
まずは情報を収集するという性格を持っています。追及フェイズには、正確な判断を行うためには不可欠である、情報という資源を入手するという意味があります。また、このフェイズには、さまざまな手段で入手した情報を統合し、次の行動を決定するという性格もあります。そして、その行動が間違ったものであった場合、再び情報を入手し、行動選択をし直す必要があります。このように、事件解決の方法を探究するフェイズが追及フェイズとなります。
このフェイズの目的は、『事件』解決の方法を追及することです。

解決

解決フェイズは追及フェイズにおいて正しい事件解決の方法のための行動選択が行われた場合にのみ処理対象として提示されるフェイズです。つまり、正しい行動選択が為されない場合は、このフェイズにいつまでも移れない場合があります。
このフェイズに移行した際には、PCの行っている行動はシナリオ的に正しい(当事者キャラクターの要求に沿っている)ものとして扱われます。
また、解決フェイズで重要なのは、このフェイズにおいてシナリオ最大の課題を解決する必要があるという点です。これはシナリオにおいて最も直接的に事件と関わっており、解決しづらい課題である場合が多くなります。
このフェイズの目的は、事件の解決を行い、シナリオに一応の決着を着けることです。

離脱

事件の解決を行ったPCはシナリオから離脱せねばなりません。解決した事件から解放されるというフェイズがこのフェイズです。当事者キャラクターの目的を果たし終ったPCは、事件そのものとは既に関係が途切れています。そのための離脱を表現するためにこのフェイズが用意されています。

エピローグ

エピローグフェイズでは、事件がその後どのような展開を見せたか、PCが解決した事件を元にどのような経験をしたかなどの、シナリオ本編以降の内容を扱います。このフェイズではプロローグと同様に、PCそのものをプレイヤーが扱うことはありません。


以上の基本進行式を用いる場合には、『PCによる当事者NPCに対する裏切り』や『隠された本当の真実』などの複雑なシナリオを構築するには少々のテクニックが必要となります。しかし、まずはこの基本進行式を身につける事が重要だと思います。


以上の二つの鍵、すなわち『ストーリーライン』と『基本進行式』の二つを駆使する事でシナリオの基本となる要素はほぼ全て決定する事ができます。これらのバリエーションのパターンがシナリオ作成の基本となります。
では、次の章からもっと具体的なシナリオ作成の方法論に進んで行きましょう。

コラム:シナリオは絶対なのか?

実際にシナリオに従ってセッションを行えば理解されることですが、シナリオで決定されている行動をプレイヤーが選択することは少ないといえます。それでもシナリオを絶対厳守せねばならないのでしょうか?
そうではありません。キャラクターが選択した行動がシナリオに記載されていない場合でも、PCがその行動を取るのにふさわしい状況であるなら、プレイヤーの決定した行動は『正しい』行動です。シナリオに載っていないからと、その行動を阻むことはできません。その意味でシナリオを細かい部分にまでがちがちに決定してしまうのはゲームをプレイできない状況にしてしまう可能性があります。
この『シナリオ作成支援システム』では、シナリオを作成する際に、大まかな部分から細かい部分へと設定を行っていきます。そして全ての設定が終わったとしても、まだまだシナリオは流動的な構造を持つようになっています。つまり、シナリオは大まかには絶対であるが、細かい部分は適宜流動的な決定を行わなくてはならないのです。これがTRPGのマスターをコンピュータが代用できない理由の一つです。