【目的】
ミュラー・リヤーの錯視図を用い、鋏角(矢羽と主線のなす角度)が錯視に及ぼす効果を測定する。測定方法としては調整法を用い、主観的等価点の測定を通じて錯視量を確認する。
→調整法とはどのような方法か調べてみよう
→主観的等価点とは何か調べてみよう
〈錯視量の定義〉
本実験では fig.1 における物理的な線分の長さの差である a-b=I の値を錯視量として定義する。
〈実験計画〉
本実習においては、
- 上昇系列と下降系列
- 空間配置条件
- 鋏角
の三つの要因について、その組み合わせを行い、錯視量に影響が出るかどうかについて見ることとする。
- 空間配置と系列による影響
- 鋏角の錯視量に及ぼす影響
について、仮説を立ててみよう。
調整法
精神物理学的測定法の中の一方法であり、被験者自身が比較刺激を調整し、標準刺激と比較刺激が、ある感覚属性関して等しくなるようにする方法である。各試行においては、比較刺激が標準刺激より、明らかに大きいか、または小さい所から開始し、2つの刺激が等しいと感じられたら調整を止める。途中で行き過ぎたら、何度戻ってもよい。調整の出発点が明らかに大きい場合と小さい場合を同数回行う。実験者は各回の調整値を記録し、それを平均して、主観的等価点を求める。主観的等価点(PSE)とは、2つの刺激を同時または維持的に提示した場合、ある感覚特性に関して、両者が等しいと判断される(あるいは区別できない)とき、一方の刺激値を他の主観的等価点という。また、調整をする際,bの長さが明らかにaよりも短い状態から始めて徐々に長くしていく方法を上昇系列とする。また逆に,bの長さが明らかにaよりも長い状態から始めて徐々に短くしていく方法を下降系列とする。
主観的等価点
aの線分の長さを固定し、bの線分の長さを調整する際に、aとbとが主観的に等しいと思われる長さに調整したとする。その長さを、bのaに対する主観的等価点という。またこの場合、aを標準刺激、bを比較刺激(または変化刺激)と呼ぶ。